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日本のレガシーをのこす
【コラム】長寿命化に生かされる建設業の技術力
安心して長く使い続けるために
インフラを使い続け、レガシーとして後世に残すことは、建設業が担っている大きな役割の一つです。特に橋は人々の移動を支えるために欠かせないインフラの一つです。古くなった橋をこの先も安全に使い続けられるようにする「長寿命化対策」が進んでいます。
東京の隅田川に架かる「清洲橋」「永代橋」「勝鬨橋」の3橋は、2007年に国の重要文化財にそろって指定されました。
清州橋と永代橋は、関東大震災の復興事業として建設された橋です。勝鬨橋は当時の最先端技術を駆使し、日本国内で最大規模の跳開橋として1940年に完成しました。当時、大型船が隅田川を通過できるよう、中央を開閉できた珍しい橋です。橋が架かっている晴海通りを通る車が増えた一方で、大型船の通過が減り、1970年11月を最後に開閉は停止されています。
3橋は、現役の橋として今も東京の交通を支えています。重要文化財への指定を受け、歴史的価値の高い3橋をこれから先も使い続けるための長寿命化対策が行われています。重要文化財として認められた歴史的な価値を損なわず、地震に強い橋にする、さらに長持ちする橋にするための対策工事が行われています。
国土交通省は、橋を新しく造る場合の基準として、耐久性を100年とする目標を定めています。2018年に基準が強化されました。橋を安全に100年間使い続けるためには、点検や修繕を繰り返すことが欠かせません。
橋だけでなく、道路やダム、トンネルなど、古くなったインフラを安全に使い続けるか、という老朽化が社会全体の問題として年々大きくなっています。建設業が培ってきた技術力が、インフラの長寿命化に生かされています。